「指名料をけちるな」

貴様ら、うちの店には「おねーちゃん」「おかあさん」「おばあちゃん」と三つのグループがあるのは知っておるな。それぞれ選りすぐりの精鋭たちだ。日々、貴様らに最高のひとときを届けるべく訓練を重ねておる。

にもかかわらず、だ。

「誰でもいいです」

……貴様、それを飯屋で言えるか? 「なんでもいいです」って言って出てきたもんに文句言うタイプだろ貴様。わかるぞ。わかるんだよそういうの。

いいか、指名というのはな、貴様自身の覚悟の表れだ。

「俺はこの人がいい」と腹を決める。その数百円に、男の決断が宿る。たかが指名料、されど指名料。ここをけちる男に、果たして何ができる。何も届かんぞ。

おねーちゃんグループを指名するなら、それは貴様が「元気をもらいたい」という意思表示だ。おかあさんグループなら「癒されたい」という魂の叫びだ。おばあちゃんグループなら「包まれたい」という人間の根源的欲求だ。

どれも立派な選択だ。胸を張れ。

しかしな、「指名なし」を選ぶということは、つまり戦場に武器を持たずに突入するようなものだ。何が来るかわからん。それはそれでスリルがあるかもしれんが、貴様、終わった後に「思ってたのと違った」とか言うなよ。言うなよ絶対。自分で選ばなかった男に、文句を言う権利はない。

そしてもうひとつ言っておく。

指名をするということは、相手にとっても嬉しいことなんだ。「あなたがいい」と言われて悪い気がする人間がどこにおる。おらん。指名料というのはな、感謝と敬意の形だ。缶コーヒーより安い金額で、相手の気持ちがちょっと上がる。最高の投資だろうが。

まとめるぞ。

一、指名料をけちるな。 二、自分の好みを把握しろ。 三、迷ったら店に電話して相談しろ。それが恥ずかしいなら、腹を決めて指名しろ。