当店のルールは絶対に守りなさい
そこの男性諸君。スマホを片手にこのブログを流し読みしているそこのあなた。手を止めて、画面をしっかり見なさい。
私はこの札幌宅配グループで店長をしている者だ。スタッフからは「鬼教官」と呼ばれているが、本人としては至って普通の人間だと思っている。ただしルールに関することだけは、普通ではいられない。今日のテーマはひとつだけだ。
「お客様と接するときは、当店のルールを絶対に守ること」
これに尽きる。
【うちのグループについて】
うちは札幌市内で荷物をお届けしている宅配グループで、現場を支えているのは、おねーちゃんと呼ばれる世代の女性スタッフ、おかあさんと呼ばれる世代の女性スタッフ、おばあちゃんと呼ばれる世代の女性スタッフだ。
つまりこの記事を読んでいる男性であるあなたが応募して働くとしても、あなたの隣で走っているのは、この女性スタッフたちだということになる。店長である私には、彼女たちが安心して働ける現場を守る義務がある。だからこそ、あなたにも同じ現場に立つ仲間として、当店のルールをきっちり守ってもらう必要がある。
【なぜ「お客様対応」でルールを守ることが大事なのか】
理由は二つある。
ひとつ目。お前が配達で会うお客様は「お前個人の客」ではなく「札幌宅配グループの客」だ。お前の態度、言葉遣い、時間の守り方は、すべて店の評価そのものになる。お前が「これくらいいいっしょ」と思った一回が、店の信用を落とす一回になる。
ふたつ目。うちの現場は女性スタッフが多い。お客様の自宅に一人で伺うこともある仕事だからこそ、ルールというのは、彼女たちを守るための盾でもある。あなたがルールを軽んじれば、それは店の信用だけでなく、一緒に働く仲間の安全にも関わってくる。
だから鬼教官は、ここだけは絶対に譲らない。
【お客様に対して、絶対に守ってもらう基本ルール】
細かいルールは実際に現場に入ったときに全部叩き込むが、ここでは核になる考え方だけ先に伝えておく。
一つ、時間の約束は秒単位で守るつもりで動くこと。 二つ、お客様を友達扱いしない。親しみやすさと馴れ馴れしさは別物だと心得ること。 三つ、業務で知ったお客様の情報(住所、電話番号、生活のリズムなど)は、業務以外の目的で絶対に使わないこと。業務が終われば記憶にも残さない、というくらいの意識を持つこと。 四つ、店で決めたNG行動は、お客様に頼まれても絶対にやらないこと。 五つ、独自判断でサービスをしたり、個人的な連絡先を交換したりしないこと。 六つ、困ったこと、判断に迷うことがあれば、その場で勝手に決めず、必ず店長・管理者に相談すること。
これだけ聞くと「当たり前じゃないか」と思うかもしれない。だが現場では、この「当たり前」ができない人間が、実際に山ほどいる。だから先に、鬼教官が釘を刺しておく。
【よくあるやらかし例と、鬼教官のひとこと】
「ちょっとくらい遅れても、どうせバレないっしょ」 これはバレる。お客様は時間を見ている。約束の時間に近い時間に届けるのが、プロの仕事だ。
「お客さんが『タメ口でいいよ』って言ってきたので、敬語をやめました」 これはだめだ。相手がどれだけフランクでも、お前はプロとしてそこに立っている。基本は丁寧な言葉遣いを崩さないこと。
「向こうから連絡先を聞かれたので、教えました」 業務用の連絡先以外は絶対に教えない。「向こうから聞いてきた」は理由にならない。
「お客様が喜んでくれたので、個人的にちょっとしたサービスをしました」 善意であっても、独自判断のサービスは禁止だ。それが後のトラブルの種になる。やりたいなら、まず店長に確認すること。
「店ではNGと言われたことを、お客様に頼まれたのでつい」 これが一番危ない。店がNGにしているのには、トラブルになりやすい、他のお客様との公平性が崩れる、といった理由がある。お前の「一回だけ」が、店全体の信用を揺るがすことになる。
「クレームっぽくなって怖かったので、テキトーに謝って終わらせました」 それもだめだ。クレーム対応は自己判断が一番危険だ。「店の者から改めてご連絡いたします」まで伝えて、あとは必ず店長・管理者に引き上げること。勝手に約束をしたり、金銭の話をしたりしないこと。
【厳しいだけではない、という話】
こう書くと、随分と堅苦しい現場に思えるかもしれない。だが安心してほしい。私が声を大きくするのは、ルールを軽んじたときだけだ。
判断に迷ったとき、「これはどう対応すればいいですか」とその場で聞いてくる人間には、私はいくらでも丁寧に答える。むしろそう聞ける人間のほうが、私は信頼する。逆に、勝手な自己流で動いて、一度盛大にやらかす人間のほうが、現場では圧倒的に多い。
ルールを守りながら、それでもお客様に喜んでもらう工夫をする。それができる男が、結局は一番信頼され、一番長く現場に残る。
【最後に】
お客様に対して当店のルールを守ることは、難しいことではない。「自分はここでプロとして立っている」という意識を持てば、迷う場面はそう多くない。迷ったときは、勝手に判断せず、すぐに私に聞きなさい。


